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スポーツ科学の課題のひとつに「競技力の向上」がある。これを課題とする研究では、多くの場合、「勝つ」ための技術や戦略、体力論に関する主張がなされる。一方、これらの科学およびその結果としてのスポーツを取り巻く人々の営みは、長い時間軸で捉えれば「競技のおもしろさ」を支えることに他ならない。いかに勝者が生み出されたとしても、それがおもしろくなければ競技そのものは歴史の中に埋没してしまうからである。
本セミナーでは、様々な研究方法を駆使して競技力の向上に迫ろうとする個々の研究をとりあげる。それらの研究をいわゆる「勝つ」ための科学としてのみとらえるのではなく、「競技のおもしろさ」を支える科学という視点からとらえ、スポーツ科学領域における学際研究のあり方を考えてみたい。対話の土台を「競技のおもしろさ」とすることにより、非競争的な身体活動を対象とする研究、学校体育等における身体文化の学習に関する研究との対話を深めることも期待したい。
2016年12月10日(土) 16時00分〜18時00分
名城大学 天白キャンパス 共通講義棟北N203室
名古屋市天白区塩釜口1-501
名古屋市営地下鉄鶴舞線塩釜口駅(1番出口から徒歩8分)
※公共交通機関でお越しください
佐々木 康 先生(名古屋大学)
クラブ組織論からみる競技力(仮):ラグビーを例に
JOC ナショナルコーチアカデミー・スクールマスター、日本ラグビー協会競技力向上委員会情報科学部門長、JISSスポーツ科学センター情報科学部研究情報プロジェクトメンバー等を務め、ラグビーを国際競技力の分析および組織形成論の立場から研究。
三宅 恵介 先生(中京大学)
ルールの変化は競技内容にどのように影響するのか(仮):柔道を例に
JOC強化スタッフ(柔道競技・情報戦略)、全日本柔道連盟強化委員会科学研究部、リオ五輪日本代表柔道チーム情報戦略スタッフ。全日本柔道選手権大会に国際柔道連盟試合審判規定が導入されたことによる競技内容の変化を研究、自身も競技を継続。
田渕 規之 先生(ミズノ株式会社 研究開発部)
スポーツ用具が変化させる「スポーツのおもしろさ」(仮)
要素技術研究開発課研究員。バットやゴルフクラブをはじめとするスポーツ用具全般を対象とした、用具の性能やユーザーの感覚などに関する基礎研究を担当。
來田 享子(中京大学)